学部3年生へ

高野研究室の最も重要な専門キーワードは、

コンピュータシミュレーションCAE(Computer Aided Engineering)計算力学

です。CAEは、工業界で製品開発・設計に必須のツールです。もう少し詳しい計算手法に関する専門キーワードには、

有限要素法(Finite Element Method, FEM)不確かさ(uncertainty)・ばらつき(variability)確率的シミュレーション(stochastic simulation)マルチスケールシミュレーションマルチフィジックスシミュレーション(主に流体構造連成解析)成形プロセスシミュレーションVerification and Validation品質保証ロバスト設計

などがあげられます。いずれも、企業がいま注目している、あるいは今後の発展・普及が期待されている重要なトピックを学術的に研究しています。これまでに提案した新しい計算手法は、国産市販ソフトウェアに搭載されて、広く企業や研究者に利用いただいています。単なる論文発表や共同研究だけでなく、研究成果の具体的、実用的な社会還元を果たしてきました。

応用分野は、
(1) 先進材料:複合材料・多孔質材料
(2) 金属3Dプリンティング(Additive Manufacturing、3D積層造形)
(3) 生体力学:骨・粘膜・皮膚・歯科補綴/歯科矯正
と多方面にわたります。

数理モデリングには、実物の成形加工の体験や観察が重要であり、企業や他大学との共同研究や研究室内での基礎的な実験にも取り組む機会が多くあります。新しいシミュレーションに適した実験を行うには、自分達で実験装置開発も行うことも多いです。また、シミュレーションは理論の上になりたっていますので、理論、実験、計算の3本柱のすべてを学ぶことができます。

修士課程に進学すると、卒業研究の内容について、M1の5月~6月に学会発表を行います。M1の秋までに、全員が必ず2回以上の学会発表を行い、修士課程の2年間で計3回以上の学会発表を行います。学会発表を通じて学生を育てることをモットーとしており、学会から帰ってくると明らかな成長が見られ、自主性、主体性も一段と向上します。

大嶋 拓実 君(発表時点で修士1年生)が2023年度日本材料学会第72期学術講演会優秀講演発表賞を受賞しました。
「チタン合金3D積層造形における多孔質サポート構造のCT-FEMによる等価物性値の数値予測」(2023年5月29日, 30日, つくば国際会議場)

研究進捗報告は基本的に毎週1回みっちりと行ってもらいます。留学生が多いので、英語発表が基本です。先輩について研究するというスタイルはとらず、卒論生でもそれぞれが独立した研究テーマに取り組みます。研究室メンバーの様々なトピックの発表を聞くことにより、知識の幅は自然と広がります。修士課程では卒業研究とは別のチャレンジングな研究テーマに取り組む学生も多く、非常に幅広い学習、研究を経験することができます。

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